Cyclo-Cross World Championship 2006
Female

オランダ・ゼッダム
1月29日 40分
田近郁美(GOD HILL)

世界選手権への挑戦は昨年に続き2回目。
昨年は全てが初めての事で、準備の段階で付いて行けない程の状態で、
現地に行っても、全てに圧倒されてしまい緊張の毎日でした。

その点今年は、スタッフの方々も昨年に引き続きの方や顔見知りの方々だし、
選手も昨年のメンバーは全員いたし、
初めてご一緒させていただく方もみなさんとてもいい方々で、
リラックスして楽しく過ごす事が出来ました。

コースは私の課題である、
「スピードとパワーそしてカーブのテクニック」
全てが織り込まれていて、試走の時にヤバイと感じたけれど、
ここまで来てそんな事は言ってられません。

精一杯走る事だけ考えました。


レース当日、ウォーミングアップをして、体調も悪くないと感じ、
心地よい緊張感の中、スタートラインに立つ事が出来ました。
以前は大勢でのスタートが苦手で、全く飛び出す事が出来ませんでしたが、
今回は、1週間前のワールドカップで、
思ったよりいい感じでスタートできた事がいいイメージとなり、
突き進む事ができました。




しかし、課題でもある平地でのスピードが無く、
ダウンヒルセクションに入る前にかなり抜かれてしまい、少し渋滞してしまいました。

そこで無理に前に出ようとした為、
ライン取りに失敗し他の選手を巻き込んで倒れてしまいました。
登りで取り返そうと思っても、前の選手はどんどん行ってしまい、
気づいたら最後尾となっていました。

離れなければ、チャンスがあるかも、と前を追い続けましたが、
どんどん離れるばかり・・・。




あぁ〜〜〜と思った時、『イクミ・イクミ』の大声援が聞こえてきたのです。
ここはオランダ、異国の地で、信じられませんでした。

『ありがとう』そう言いながら走ってるうちに、
かなり狭くなっていた視野が、少しずつ広がっていくのを感じました。
日本の選手団も、あちこちで大声を出して応援やアドバイスをしてくれます。

あちこちでパワーを分けていただけたおかげで、
トップは直ぐ後ろまで迫っていましたが、最終周に入ることが出来ました。
そんな最後尾の私を、みなさん最後まで応援してくれます。

苦しくて仕方が無いのに、そんな声援が嬉しくて嬉しくて、
最後は自然と笑顔がこぼれていました。

笑ってる余裕があれば、もっと走れば、と自分でも思いましたが、
何か違ってたんです。
うまく表現できませんが・・・。





ゴールした時、完走できた事は嬉しかったのですが、
人と競り合う事もなく終ってしまい、
フルサポートしてくださったスタッフの方々や選手のみんなに、
ワクワクして頂ける走りが出来ず、申し訳なく残念で仕方がありませんでした。

世界の女子のトップは、日本の男子のトップと同じくらいです。

そんな中で、しっかりと争えるよう、
身体も心も鍛えていきたいと思いました。

たくさんの方々が応援してくださったおかげで、精一杯走る事が出来ました。
本当にありがとうございました。
これからもよろしくお願いします。