Cyclo-Cross World Championship 2005
Female

ドイツ・セントウェンデル
1月30日 
田近 郁美 

わぁーーーーぁ
    プゥーーーゥ
       うぉーーーぉ

ものすごい歓声と鳴り物の音に背中を押され、
私は、ひたすら前を見て走っていた。
憧れの、シクロクロス世界選手権だった。

走りながら、スタッフの声に耳を傾ける。
聞こえては来るのだけれど、頭にはほとんど入っていかなかった。

ただ、チームコート(ウェアー)の青色が見える度に、ほっとしていた。

必死で走っていると、前の選手に追い付く時があるけれど、
苦手な部分で、直ぐに離れてしまっていた。

4周目に入る時、スタート・ゴール地点である競技場に入り、
「よし、今度こそ」そう思った瞬間、
ピィーーーーィ 
役員の笛が鳴り、誘導されるままコースの外へ。

頭の中を色々な事が駆け巡り、
いつからか張り詰めていた物が、プツンと切れ涙が溢れ出した。

その時、今まで自分が走っていたコース上が騒がしくなった。
振り返ると、トップ集団が目の前を走って行った。

もう少し走れたら・・・・・・悔しかった。
今持っている力を出し切っても、全く敵わなかった。 

でも、精一杯走る事が出来たのは、
素晴らしいスタッフの皆さんの、サポートのお陰です。
そして、素敵な選手と共に戦う事が出来、本当に良かったです。
だからこそ、サポートや応援してくださる方々に、
ワクワクして頂ける位、走れるようになりたいです。 
今の私には『体力』『技術』『経験』全てが足りません。

世界戦で、色々と学ぶ事が出来『経験』が増えました。
この『経験』を糧に『体力』『技術』増やしていきたいです。 
サポートしてくださった方々、
現地や日本で応援をしてくださった方々、そして家族。
いっぱい、いっぱい、ありがとうございました。